「株式会社スターフライヤー」にCAとして新卒入社が決まった宮原志織さん(写真左)。ブライダル関係の仕事に内定が決まっていたにも関わらず、突然「やっぱりCAになりたい」と言い、CAコンシェルジュへの入学を決めました。そんな志織さんを一番近くで支えていたお母様は、一体どう思っていたのでしょうか。(聞き手:プロインタビュアー)
写真左)
内定者:宮原 志織さん(21歳)
内定先 : 株式会社スターフライヤー 客室乗務員(新卒)
出身校 : 西南学院大学
写真右)
お母様:宮原恵子さん(61歳)
いえ、皆さんそうおっしゃるんですけど、私は嬉しかったんです。
「あなたが思うようにしなさい」としか、言いませんでした。
私はずっと英語の教師だったんです。だから、将来は英語を生かした仕事に就いてほしいなと思っていたんですよ。CAになりたいと志織が言ったときは正直「やった!」という感じでしたね。
主人も応援していました。
「お母さんと同じ道を行きたくない」という反発心をもっていたみたいです。だからあえて英語を仕事にする職業を視野に入れていなかったんでしょうね。それに、志織はこれまで自分の意志というものがあまりなかったんですよ。内定をいただいていたブライダルの会社も「友人が受けるから一緒に受けてみよう」という軽い気持ちで面接に行ったくらいですから。
そうです。もう研修にも何度か行っていたんです。
英語を生かした仕事に就いてほしいと思いながらも、志織が選んだ道なら黙って見守ろう、という感じでしたね。
はい。「私はやっぱり英語力を生かした仕事に就きたい」と言って。志織がちゃんと自分のやりたいことを自分で見つけてきたことが嬉しい反面、内定先になんとお断りをするつもりだろう…という心配もありました。
志織がインターネットで探したそうです。私は好きなようにやらせようと思っていたので一緒に探すことはしませんでしたね。志織が「こんなスクールがあるみたいなんだけど」と言ってきたときも「いいんじゃない?」という程度でした。
ええ。年末に志織が「CAになる」と言いだしてからすぐにこちらのスクールを見つけて、乾先生に会う約束を取り付けました。
本当、ジェットコースターみたいに急展開でしたね。
あの頃はとにかく志織の行動力に身を任せていたように思います。
いえ、私はスケジュールがあわなくて志織が一人で会いに行きました。でも、志織から話はよく聞いていたんです。その話を聞くだけで「きっと素敵な先生なのだろうな」と思っていました。こまめにメールも入ってきていましたから、本当に志織のことを考えてくださっているんだなと改めて感じて、乾先生にお任せしようと決めましたね。
乾先生が「CAの内定が決まるまでは保留にしておきましょう」とおっしゃったんです。
志織は「そんなことして内定先に失礼じゃないかな」と不安がっていましたが、そのときに私は「ああ、乾先生は間違いない」と確信しました。
普通の学校だったら「一本に決めてがんばりましょう」って言うと思うんです。でも、万が一にもCAになれなかった場合、志織は就職浪人になってしまうじゃないですか。それを防ぐために、ギリギリまで保留にしましょう、とおっしゃってくださったんです。学校のことよりも志織の将来をしっかり見てくださっているということが、親としては嬉しかったですね。普通の学校だったらきっとこうはいかないと思います。
もう、見違えるほど変わりましたね。私が家でちょっとでもマイナスなことを発言すると「ママ、そんなこと言ったらだめだよ」なんて注意するようになったんです。
玄関に飾っている花がしおれていると、何も言わずに新しい花に変えていたり、部屋が少しでも散らかっていると率先して片付けたり…女性らしい気づかいができるようになったと思います。主人はよく「まさか志織がここまで変わるなんて」と言っていますね。
はい、もちろんです。志織が乾先生を見て「こんな女性になりたい」と思ったから、仕草を真似するようになったんじゃないかな、と。そしたら自然と振る舞い方が変わったのだと思います。
そうでしょうね。もうそれだけでもCAコンシェルジュに通わせた意味があるなと思います。長い人生の中で「この人についていきたい」と思える方に出会える確率って、すごく低いと思うんです。実際、出会えていない人のほうが多いんじゃないでしょうか。でも、志織は21歳でそんな方と巡りあえた。これって、すごく幸せなことですよね。
正直に言うと、全然思っていませんでした。
普通の大学生だし、突然のことだったし…でも志織が「やりたい」と言うことはやらせてあげたいと思っていましたから、とりあえず挑戦してみたらいいんじゃないかな、と。
まったくと言っていいほど、普段と変わりませんでした。志織には乾先生がついているから、私は何もせずに見守ろうと思っていましたね。他の生徒さんも指導して大変でしょうに、乾先生、毎日のように志織に電話をかけてくださっていたんですよ。
志織は少し緊張しやすいタイプなんです。それを知ってか、乾先生が面接の直前に電話で「面接の間は私がのりうつったと思って頑張って」なんておっしゃってくださったみたいで。それまで「もう駄目」なんて言っていた志織が「大丈夫、私には乾先生がついているから」と、たちまち元気になって。この子は本当に乾先生を慕っているんだなとしみじみ思いました。同時に、乾先生も志織のことをよく理解してくださっているんだな、と嬉しくなりましたね。
はい。内定が決まったと聞いたときには驚きました。でも、志織が乾先生と一緒に頑張った証ですよね。そこは褒めてあげたいと思います。そうそう、スターフライヤーは志織が一番入りたかった航空会社なのですが、内定をもらった後に乾先生が「大変だとは思うけど、もう一社だけ受けてみませんか?」と声をかけてくださったんです。
そう思いますよね。でも乾先生は「きっと、もう一社から内定をいただけたということが、後々の志織さんの自信に繋がると思うんです」とおっしゃってくださって。その言葉を聞いて涙が出そうでした。もう、親である私以上に志織のことを考えてくださっているんじゃないかと思ったくらいです。
はい。乾先生に志織の将来をまかせて良かった。それはもう、胸を張って言えます。内定通知がきた後で、乾先生から「CAになれたことがゴールじゃなくてここからがスタートなんですよ」というお言葉をいただいたんです。これからはその言葉を胸に、母親として志織を支えていきたいなと思います。
〜志織さん、お母様の恵子様、本日はインタビューのご協力ありがとうございました。〜